久々の世界初である。（と思うが、ギネスブック非公認）
そもそも、知人の電動格納ミラーをうらやましく思ったのが事の始まりだった。そこで車の修理工場でゴミとして捨ててあったマークⅡのミラーを持ち帰り、配線について解析した。
問題はミラーの根元の形状であった。トヨタや日産を始めほとんどの車はこの部分が尖っている。ＰＩＡＺＺＡはここが丸い。パテ埋めなどせずに付きそうなのはアリストか新型レガシィ（当時）との結論に達した。超音波で水滴を弾くという超バブリーな装備は魅力的だが、アリストは解体屋には出ないだろう。しかし新型レガシィも解体屋では出ていなかった。震災後の神戸でも発見できなかった（実話）。
時は流れた・・・・・。
ある夜の事、川端氏より電話が入った。新型レガシーの解体車が有ると言う。さっそくその解体屋に交渉すると「いいですけど・・・自分で使えるか見ていただいた方が・・・」と以外な声が返ってきた。ドア・アセンブリーでなきゃダメと断られると思ったのだが、実車を見て納得した。左フロントが大破しており、そっちのドアを引いても蹴っても開かない。これでは内装が外すことが出来ずミラーが外せない。「しかしここで、諦める訳にはいかん！」と内装を素手でむしり取ってミラーをＧＥＴした。取り付けボスが１本折れてはいたが破片ごと回収しスイッチパネル込みで￥６、０００だった。
さっそく純正ミラーを外して取付方法について検証した。その結果取付ボスの数は、どちらも３個だが１個はガラスの上になるため使えない。残りの２個はかなり近い位置にある事がわかった。とりあえず２点止めで進める事とし、ＰＩＡＺＺＡのドアミラー取付穴の１個をヤスリで５ｍｍほど削る。なお私の入手した左側ミラーはここのボスが折れていたので、樹脂用の２液性エポキシ接着剤で補修しておいた。
話が前後するが、ミラー取付穴が合えば取付できる訳ではない。取付部分はその車のボディ形状に合った物なので複雑な突起があり、これがドアピラーに当たる。そこで実車に合わせて削る訳だが、レガシーのミラーはＡＢＳらしき樹脂なので楽に加工できる。取付部の面積もＰＩＡＺＺＡより大きいので元の隙間などは覆い隠す事ができる。やる気があればドアと段差なく仕上げると、空力的にも有利であろう。私はすぐに付けたい事もあり、あえてレガシィの形をそのまま使っている。（実はここも気に入っている。）
ボディとの間には発泡ウレタンをはさんで隙間を詰める。とりあえずこの辺はお手軽ＤＩＹで済ませた。
電気系統の解析は少々厄介だった。念のためハーネスの一部を切り取って来たのでスイッチとの接続について電線の色や太さなども参考になった。又スイッチパネルは両端を切りつめドアの内張りも加工する事でＰＩＡＺＺＡの純正の位置に収める事が出来た。こう言うと実に簡単な様だが、こうなる迄には右側だけ取付けて東名高速を走ったり、両方付いたものの、左側は配線していないなど実験段階が続いた。ようやく実用になったのがミラー入手して２ヶ月後、マークⅡのミラーで実験を開始してからは実に１年６ヶ月の歳月がたっていた。その後、ボンネットやバンパーを再塗装する際にミラーをバラして持ち込んでボディと同色に塗ってもらった。（￥７、０００）それまではミラーだけ紺メタリックだった為、妙にミラーが大きく見えた。（目立つ事は確かだが、つぎはぎ感も激しかった。）
さて、この記事を読んで後に続く勇者の為に懸案事項を述べておこう。
①ミラー面角度の問題
スイッチでミラー面角度の調整を行う際、ほとんど限界ギリギリである。私の場合シートをかなり前によせたポジションをとるので問題ないが、足の長い人は調整範囲を越えてしまう。この場合は取付角度を変更する必要がある。
②防水対策
ミラーとボディの間に挟んだ発泡ウレタンが、半年もしないうちにひび割れてしまった。対候性の良い物を探す必要がある。なお、私の場合ミラー取付部の下部にかなり隙間が有るため洗車時に水が入る。これから挑戦する方はこのあたりも解決する必要がある。
③空力抵抗
ＰＩＡＺＺＡの純正ミラーに比べると、若干空力は劣るようである。右側だけレガシィのミラーを取付けて東名高速でテストしたところ風切り音や汚れ（虫の付着など）いずれも不利であった。ただし市内走行では問題にならないレベルではある。
イスズミーティングに合わせて仕上げた為、不十分な点もあるのだが、一旦付いてしまうとそのままになっている。出来ればスイッチ部分にライトと連動した照明を付けるなどの改善をしたいところだ。
正直な所、課題は多いものの、狭い道を通る事の多い私としては実用面での満足度は大きい。ただし、あまりにもさり気なく付いた為（？）自分から言わないと誰も気づいてくれないのは少々寂しい気もするが・・・。